月曜日, 8月 30, 2010, 05:28 PM
今月中旬に、地域産業の創出という観点から、地元の大企業および中小企業経営者から、業務の概要ならびに戦略的な活動状況などを参考意見として聞くということで市議会の特別委員会（企業経営者８名、経済産業省１名、正副議長ほか市会議員約１０名、市の関連部長ほか市職員約２０名）での発言の機会を与えられた。四日市を代表するような大企業の幹部の方々に並んで、中小企業の代表の一人として、今の当社の仕事内容と、今後の取り組みの計画を発言させていただいた。こんな大掛かりに、市の正式な委員会で発言させていただいたのは初めての経験であるけれども、今後も機会があれば取り組んでいきたいと思う。
私の発言の内容は、概略以下の通り。
藤井撚糸株式会社の社長の藤井と申します。どうぞよろしくお願いします。
�，泙此△海梁膕餤勅爾貌�って最初に気づいたことは、敷かれているカーペットが、おそらくは当社が加工した糸で作られたものであろうということ。私の目に狂いがなければ、これは、国内Ｔ社のナイロン製のデザイン・タイルカーペットで、国内原糸メーカーが愛知県の工場で生産した原糸、および、中国または米国から輸入したナイロン原糸を当社に集め、当社の技術で加工したものである。
�◆，海海防澆�れているカーペットについてわが社が関与しているというのも、わが社のタイルカーペット加工の全国シェアが３５％あるということからすれば、まったく偶然というわけではない。売上わずか７億円という四日市の小さな会社が全国シェアＮＯ．１の地位を取っているということをご理解いただければありがたい。さらに、当社が特許を取得した加工技術を利用した川島織物セルコン社の「カラーバンク」というカーペットが市役所の１階ホールに展示されているので、是非ご覧いただきたい。
�� ただ、下請けの地位に甘んじてばかりいられないので、製造販売メーカーへの脱皮を図るべく、５億円の設備投資をして、これからの成長が期待されているＰＰカーペット用の加工糸を生産する設備への投資を行った。これに関しては、市からは、立地条例に基づく固定資産税の減免の認可をいただいき、県からは、[経営革新計画」のご承認をいただいて、低利融資を受けられるようにしていただいた。また、国からは、「ものづくり試作開発」の助成金を認めていただくなど、国・地方の政策推進の恩恵を受けている点、おおいに感謝している。ただ、せっかくの立地条例の減免も事業所税の新設によって相殺されることになるのは残念である。また、「経産省ものづくり助成金」については、手続きが煩雑なため、資料作りに追われて営業活動に必要な時間が確保できないなどせっかくの補助金の効果が薄れてしまうという弊害も出ているのが残念である。
�ず８紊砲弔い討蓮�国内市場の拡大を図るべく、家庭用カーペットの普及と商品開発に努めたいと考えている。実際のところ、米国のカーペットの市場規模は日本の３０倍ほどあるが、オフィス・自動車などの業務用途では市場規模はほぼ人口に比例している。違うのは、家庭用のみ。日本で家庭用が普及しないのは、ダニ・アレルギーが多いという誤解がある。実は、フローリングなどより、カーペット敷きの方が室内の空気中のアレルギー物質が格段に少なくなるのだという実証研究があることはあまり知られていない。こうした事実を産学官の共同プロジェクトなどでデータ補強することや、家庭用にふさわしい商品開発を進めることなどにより、日本にカーペットの文化を根付かせたいと考えている。
�セ唆帆禄个箸いΥ囘世如�行政の面でひとつだけお願いしたいことは、企業として四日市に来やすい、居やすい、という環境を作ってほしいということだ。たとえばスーパー中枢港湾という政策決定では、四日市を含む伊勢湾は、京浜・阪神の次点となってしまったが、四日市コンビナートと名古屋港を結ぶ高速４号線の整備ができていない、ＪＲに至ってはいまだに単線でしかない、などインフラ整備の点で地元の「やる気度」が問われてもしようがない。教育や、技術者の集積度などを高め、なおかつ税制面の優遇措置をとるなど、企業にとっての町の魅力を高めていく必要がある。これは、国内の他の都市との間ばかりでなく、近隣の諸都市との間の競争でもあることを、強く認識していただきたいものである。
以上
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金曜日, 8月 13, 2010, 04:41 PM
先日沖縄で開催された高校総体のサッカー大会では、市立船橋高校が延長戦の末、みごと優勝を果たした。その船橋高校のナインの中で、二年生ながら、後半の２５分に同点ゴールを決めて大会の得点王となり、優勝のきっかけもつくったＩ．Ｒくんは、当社のインターミングル部で品質検査を担当しているＩ．Ｙさんのご長男である。Ｉ．Ｙさんは、ご主人と協力して子供たちが小さいときに一戸建ての家を会社の近くに購入し、まず、子供たちがのびのびと育つ環境を作られた。サッカー教室に通っていたＲくんが地元の羽津中学でもメキメキとサッカーの実力を伸ばし、遠く千葉県のサッカー有力校である「市船」への進学を希望すると、本人がその気なら伸ばしてやりたい、といって背中を押してやったそうだ。
息子を必死で支えようとする両親、そして、それに正面から答えようとして、ご両親に感謝しつつ惜しみない努力を続けるＲくん。なんとも美しい親子の愛情ではないか。私も、Ｒ君のことは小学校のころから知っていた。私が会社への通勤の途上、登校中のＲくんとよく顔をあわせた。小さいころはハニカミ屋だったＲくんも、中学校に入るようになると、自転車をこぎながら、大きな声で、「おはようございまーす」と声を掛けてくれたものだ。
お母さんのＹさんは、「勉強もせんと、サッカーばかりやっとる」といわれるが、久しぶりに新聞の写真で見るＲくんの顔は、子供のときにはなかった精悍さと強い意志に満ちているようだ。学校の勉強はともかく、しっかりと自分の考えと強い気持を持つという人生の勉強をしっかりと積み重ねているように見える。私は、Ｙさんに、「優勝おめでとう。そして、息子のＲくんに、ひとつだけ私からのメッセージを伝えてほしい」と言っておいた。
「今はまだ、Ｊリーグに入れるかどうか、というところかもしれないが、サッカー選手として大成しようとすれば、必ず、国外でプレーするという可能性が出てくる。そんなときに、気後れしなくてすむように、英語だけはしゃべれるようにしておきなさい。宮里藍さんも、石川遼くんも、文法的には間違いだらけでへたくそな英語だけれども、ものおじせずに英語でインタビューに答えているでしょう。あの程度で十分だから、大声で英語をしゃべれるように今から訓練しておきなさいと伝えてください。それによって、自分のサッカーの世界がもっともっと広がる可能性があるんだから。 Ｒくん、がんばれ！」
藤井 由幸
金曜日, 6月 25, 2010, 08:45 AM
一昨日午後、津で開かれた政策金融公庫の講演会で天台宗僧侶の藤井妙法師の「成功の哲学」という講話を聞きました。とても感動したのですが、その一端を紹介しましょう。ありきたりの「成功の秘訣」のような話ではない師の講話は、自分の生い立ちからスタートします。藤井師は昭和２４年の大阪四天王寺生まれ。ご両親は明治生まれで、昔の尋常小学校４年しか学校での勉強をさせてもらえず、１０歳くらいからともに丁稚奉公という形で働き始めたということです。したがって、日雇いのような仕事にしか就けない両親の元での師の少年時代の生活は極端な貧乏生活。父親の給料は１０日で底をつき、自分が「犬にやる」といって小学校で同級生から集めた給食の残りのコッペパンであとの２０日間を食いつなぐと言う状態だったそうです。四天王寺の前で遊んでいた師は、傷痍軍人が門前で物乞いをするさまを見て、自分の貧乏生活とも引き比べて、世の矛盾を感じ、哲学や宗教に興味を持つようになったということ。
中学校では不登校になり、ろくに学校の勉強もせずに町の図書館で哲学の本を読み漁ったり、比叡山へふらりと修行に出かけたりしていました。そのために、中学２年生の時に落第するという経験もしました。そんな中でも、師の両親は自分が高校・大学へと進み、自分が志したい哲学の道を究めるのを何も言わずに支援してくれたと言います。師の父親が、病気を理由に仕事ももらえず、非業のうちに亡くなると、わずかな遺品の中から、尋常小学校４年の修了証書が出てきたと言うことです。「ああ、オヤジは丁稚奉公ではなく、自分が勉強をしたかったんやな。それで、オレに勉強をさせてくれたんや」と悟った。それからは、師の勉学に対する姿勢は劇的に変わったのだということです。
こういう意味では、師の父君は、極貧の生活ではあったけれども、志を持った人生の成功者だった、と師はいいます。金持ちになって、贅沢な生活をすることが成功者だと言う考えとはまるで違います。自分の仕事を誇りに思える高い志、強烈な使命感をもって、成功するまであきらめない不屈の意志を貫く人生そのものが人生の成功者といえるのだと師は説きます。うーん、なるほど、とうなってしまう。
最後に、「私は、○○するために生きています」ということを自分で考えてみな
さいと師が言う。
わたしは、「色々と苦境にある家族の心の平穏を実現するするために、どんなこ
とにもくじけずに、命ある限りとことん頑張り抜こう」と心に誓うのでした。
藤井由幸
火曜日, 6月 8, 2010, 06:40 AM
週末に、やっと司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の文庫本、全８巻を読み終えました。テレビの大河物語りにつられて４０年以上前にに読んだものを読み直したのですが、青年の時には全く理解が出来なかったことに、今は、深く共感し感動することがたくさんあったのには、自分でもびっくりしました。薩長連合を実現し、大政奉還を成し遂げたあと、新政権（明治新政府）の概要を立案するところまで、坂本竜馬という幕末の風雲児が日本の未来を切り開いたと言っていい。幕末という革命前夜に、竜馬のような人物が現れ、活躍できたのは、本当に奇跡的なことだったんだと改めて実感しました。また、そのような人物に活躍の場を与えることができた日本という社会の懐の深さにも大きな感動を覚えました。
その大仕事を終えたあとの竜馬に、作者はこんなことを言わせています。
「おれは日本を生まれかわらせたかっただけで、生まれかわった日本で栄達するつもりはない。こういう心境でなければ大事業というものはできない。おれが平素そういう心境でいたからこそ、一介の処士にすぎぬおれの意見を世の人々も傾聴してきてくれた。大事をなしとげえたのも、そのおかげである。仕事というものは、全部をやってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道である。あとの二分はたれでも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはできない。」
今、現代の日本においても静かに政変が起こりつつあるわけですが、この竜馬の言葉を、政権交代に大きな功績のあった小沢一郎さんにじっくりと味わって欲しいものだと思っています。
藤井由幸
日曜日, 4月 25, 2010, 01:23 PM
５年前に四日市市が隣接する楠町と合併して人口が３０万人を超え、中核都市としての要件を満たすことになったのは承知していたが、中核都市の企業に「事業所税」が課税されるということは、全く予想外だった。事業所税は床面積１千平米を超える事業所に対して１平米あたり６００円、さらに、従業員が１００人以上なら給与総額の０．２５％を市に納めなければならない。私の会社のような、２万平米もの広い建物を使わざるを得ない製造業では、最大年１千２百万円もの増税になる計算だ。この事業所税が、今年８月から四日市市にも適用されるということで、市の徴税部局から説明会があった。しかし、なぜそのような増税がこの不況時に必要なのか、何に使われるのか、増税を回避する努力は何かしたのか、明確な説明は全くなかった。むしろ、市にとっては当然のように増収となることを喜んでいるかのようだった。質問・意見を言うことが許されると、私はこのときの市の説明担当者に激しくかみついた。
「あなたは、税金を取ることを当たり前のように思っているようだけど、私は、そもそもこの事業所税の適用そのものが納得できない。今、中小企業の事業者やそこで働く人たちがどれほど苦労して仕事を守ろうとしているか、ということに思いを巡らしたことがあるのか。給料も、賞与も、もうこれ以上削れないというところまで削ってでも、なんとか働く場所を確保しようとしているのが現状じゃないか。市役所は、事業所税を財政赤字を埋める格好の財源とでも思っているのかもしれないが、それによってどれほどの雇用が影響を受けることになるのかということを考えるべきだし、もし、どうしてもそれを強いるのなら、自分たちのボーナスをカットしてから言ったらどうか。そもそも、失業のリスクもない赤字自治体の公務員にどうしてボーナスをもらう資格があるのか。」
とまで踏み込んで言うと、会場から拍手が沸き起こった。実は、この後個人的な交流関係もある田中市長にも、同じことを言って、何とか事業所税を課すことを避けることができないのかと直訴していたのだ。商工会議所なども、市内の中小企業者の圧倒的な要望を踏まえ、色々なルートでロビー活動をしていたようだ。
とは言っても、最終的に判断をし、議会や役所との調整という指導力を発揮したのは田中俊行市長の英断である。法に基づいて課税をすべき自治体が、条例を作って減免する、という全国でも初めての試みを実現させることになった市長の政治的指導力は、高く評価されるべきだろう。俊行君、これからもがんばれ！
藤井由幸
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