プロゴルファー 石川遼くんのこと 
火曜日, 6月 30, 2009, 05:57 PM
  プロゴルファーの石川遼君が先週のミズノオープンで活躍するのをテレビの中継で観戦した。なんといっても、12番ホールの2連続OBで、「ああ、これはやっぱりダメか」と多くの人が思っただろうに、その重圧をはねのけて気持ちを奮い立たせ、二位と3打差で優勝するという快挙だったのには正直驚いた。これで、ターンベリーで開催される全英オープンでの石川選手の活躍が見られることになったのは、本当に楽しみだ。

  とは言うものの、正直に言うと私は高校3年生になったばかりの石川選手が、学校にも通わずにトーナメントに参加し続けていることには反対だった。彼のように、ゴルフの腕のすぐれた人材は、世界中にはたくさんいる。だけれども、彼が今からプロゴルファーとしてもっともっと成長してゆくためには、英語や国語や数学など、基本的な学力を身につけることによって、自ら考えて困難に立ち向かうための力を養っておく方が、遠回りかもしれないけれど、よっぽど今やっておかなければならないことではないか、と思っていたのである。

  少年時代にすごいゴルフの腕前だったのに、いつのまにか普通の人になってしまったという例はいくらでもあるではないか。タイガー・ウッズのように、早くから注目された選手もいたけれど、そのウッズだって、スタンフォード大学という名門大学に通って心身を鍛えていた。ゴルフの腕は多少遅くなってからでも鍛えられるが、頭は若いうちに鍛えておかないと成人してからではなかなか追いつかない、というのが私の考え方だ。

  ひとつ、私が思い違いをしていたのは、頭は学校で先生や同級生たちとのコミュニケーションの中で鍛えられるものだ、と考えていたこと。石川君のすごいところは、彼が、大人のプロに交じってトーナメントをこなしていく中で、とてつもない回転力と柔軟性を発揮して、その場その場でしか学習できない重要なことを学びとっているらしいということだ。

  それが分かったのは、ミズノ・オープンの12番ホールで「OBとなった自分のボールを拾い上げた後、周りにいたギャラリーから『ドンマイ、ドンマイ』と声を掛けられて自分を取り戻すことができました。あの時私のまわりにいたギャラリーの皆さんには本当に感謝しています」と、彼が優勝後のインタビューで語っていたときだ。OBが二つ続いて、優勝ができなくなるかもしれない、夢だった全英オープンの参加資格も失ってしまうかもしれない、というその瞬間に、ギャラリーの声に感謝するということなど、並の人間にできることではない。私などは絶対に無理だ。このことで、石川君が、自分に与えられた環境の中で自分自身を成長させてゆく「こやし」を吸収することができるという、ずばぬけた能力を持った天才なのだということが分かった。どこまでも謙虚な姿勢で精進を続ける彼の今後の成長を大いに期待したい。

藤井由幸


赤字でも高額納税 
土曜日, 6月 27, 2009, 07:55 PM
 今年3月の決算は、この不景気の中、ご多分にもれず残念ながら赤字決算になってしまい、銀行や取引先各社に対して、「赤字にして申し訳ない」とお詫び行脚に回るはめになってしまった。嗚呼、情けない。赤字で法人税も払わず、社会的な貢献もできないなんて、何と恥ずかしい!

 だけど、ちょっと待てよ。本当に法人税という税金を払っていないと、社会貢献はゼロなのだろうかと思って、広い意味での国民負担といえる国・自治体等への納付金の総額を調べてみた。確かに赤字企業として法人税は最低の60万円だけしか納めていないが、高々売上7億円のわが社が納めている広義の「国民負担金」は、何と丁度1億円と出た! 内訳は、百万円単位で以下の通り。

 社会保険(会社負担+社員負担) 54
 労働保険                4
 固定資産税               7
 自動車税・印紙税            2
 消費税 (ネット納付額)       16
 所得税(社員の源泉徴収分)      6
 市民税(  ”     )        10
 法人税                   1

     合計              100 

 売上の、実に14%を、赤字に苦しむ会社からお上は平然と召し上げてゆくのだ。これを重税と云わずして何と言おうか。儲かっている大企業などは、実は、実質の税負担率はもっと低いのではないだろうか。まことに、「逆進性」の高い負担構造になっていると云わざるを得ない。これは、特に、社会保険の負担が、所得累進度が低く、低所得者あるいは低所得企業にとって重い負担になっているからではないだろうか。もう少し深く研究してみる必要があるような気がする。誰か、教えていただけないだろうか?

藤井由幸

コミュニケーション 
月曜日, 6月 22, 2009, 08:11 PM
  きょう、いつものように自宅で家内の手作りの夕食を食べた。何かデザートはないかなと思っていると、今年初めてのブドウが出てきたのでひと房取ってむさぼり食べた。小粒だけれどもなかなかみずみずしくておいしいな、と最後のひとつぶまでしっかりといただいた。しばらく茫然として、両手を犬のように顔の前に締まりなくぶらさげていると、隣から、そっと手拭きが一枚出てきた。はっと、我にかえって隣の家内に目くばせすると、

 「30年ですものね」

 という言葉が返ってきた。こんな、一見つまらない事にもすごく感激をして、「抱きしめてやりたい」という気持ちになるのだ。人間には、言葉以外のコミュニケーションの手段があるのだなと思った。

 そういえば、今日のラジオで、「裏声のエロス」という本を書いている声楽家の高牧康さんの「裏声」にまつわる話を聞いて、なるほどと思った。赤ん坊が「オギャーッ」という鳴き声や、女性の「キャーッ!」という叫び声などは、もちろん「裏声」だけれども、こちらの方がむしろ人間の本能から出る「表の声」つまり、本来の声なのではなかったのか、と高牧氏は言う。更に、現代人はこの人間としての本来の声を使うことがあまりにも少なくなってしまっているのではないか、そのために、ストレスを感じるということがあるのではないか、というのだ。だから、高牧氏は、日常的に「裏声」をもっと使うようにすることを勧める。たとえば、怒ったときでも裏声を使って「ナニヲイッテイルンダ、コノバカヤロウ」と声に出していってみると、怒っていること自体がばかばかしくなって、気分がすっきりするというのだ。一度是非実践で使ってみよう!

 声楽の発声方法も,「頭声発声」といって、頭のてっぺんから声が出るような発声をする。これも、半分くらい裏声を出すのと同じような効果があるそうで、そうか、だからオペラを歌うのはストレス解消になるのか、と妙に納得できた。明日にストレスを貯めないように、つつましい生活を明るく、明るく、過ごすように心掛けたいものだと思う。

藤井由幸



盲目のピアニスト 
土曜日, 6月 20, 2009, 09:11 PM
 先日、ある政府系金融機関の県内の取引先が一堂に会する懇親会があって、県を代表するような中小企業の経営者の方々から、それぞれユニークなお話があった。その中で、私が一番感動したのは、そのホスト金融機関のK支店長が披露された、盲目の天才ピアニストと云われる辻井伸行さんについての話だった。

 ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで見事優勝を果たした伸行さんは、受賞のインタビューの中でこう聞かれたそうです。
「もし目が見えたとしたら、何を一番先に見てみたいですか?」

すると、即座にこう答えたそうです。
「私を育ててくれた両親の顔を見たいです。」

 家族の愛情というのは、何物にもまして素晴らしいものだけれど、この天才にして、自分に注がれた両親の愛情に感謝する心を素直に口にできるというのは、何と素敵なことか。心から感動した。天才ならずとも、世話になっている周りの人に感謝する心だけは持ち続けたいものだ。

藤井由幸
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三重の食い倒れ 
金曜日, 6月 19, 2009, 09:54 PM
  今日のお昼は、何人かの得意先の方と、工場の近くの割烹で和定食をいただいた。お昼のことなので、豪勢にとはいかないが、水槽から上げたばかりのアジとヒラメのたっぷりのお造り、一尾なりのカワハギの煮付け、大蛤入りの味噌汁にご飯という取り合わせだった。この割烹のすぐ近くに住む義父に、何年か前に今日と同じ特注の和定食をご馳走になってから病み付きになり、その後はこっそりと此処に世話になることが多くなった。やはり、新鮮な魚介類の美味しさはこたえられない。

  そういえば、三重県は美味しい食材が豊富である。伊勢志摩のあわび・さざえ・伊勢海老や伊勢湾・熊野灘などの近海で取れる豊富な魚類、松坂牛に代表される肉類、鈴鹿山系の伏流水に育まれた地場の美味しいお米や野菜、それに何といっても味わい豊かな地場のお酒や焼酎など、本当に海の幸、野の幸、山も幸に恵まれたすばらしい土地柄なのだと改めて感謝したい。

  家族でもよく行き、お客様などにも喜んでいただいている私の行きつけのお店を順不同で紹介しておきましょう。
・鈴鹿「まと場」・・・特選牛の炭火焼、はしで切れる柔らかさで、F1のM・シューマッハも愛用
・伊勢若松「魚長」・・あなご専門の割烹、目玉は特大のあなご丼
・楠「割烹初祥」・・・昼の特注和定食はここ。はまぐり会席が特色
・楠「寿庵」・・・大将の趣味を生かした和洋折衷の創作料理。茶室の雰囲気がまたいい
・JR四日市「喜多川」・・・パリパリ、さくさくとしたうな丼、ひつまぶしは絶品。浜松よりうまい
・四日市「うちだ」・・・鉄板焼き。肉の柔らかさとロブスターが最高。〆はガーリック・ライス
・四日市「石かわ」・・・松坂牛ステーキ。最近足が遠のいたが、昼定食は値打ち
・四日市「サンマルコ」・・・イタリア料理の肉・魚・パスタとワインがうまい。ママはソムリエ
・四日市「すし道場」・・・回転寿司だが、ネタは新鮮、品揃えは豊富。焼きアナゴが旨い
・羽津「養老の滝」・・・安くて早くてお手ごろ。社長は同期。会社の目の前で親睦の乾杯!
・大矢知「すしダイニング」・・・昼の多彩な定食はどれも美味しくて値打ち
・山手「よし乃」・・・造り、てんぷら、煮魚、焼き魚、山の水がいい。口やかましい女将もいい

  昔に比べると、少しさかな系が多くなっているような気がします。「あそこは、まだ行っていない」というところがおありでしたら、是非次回ご来四の際にお申し出ください。特別なあなたを喜んでご案内させていただきます。また、「もっといい店を知っているよ」という方は、ぜひ教えてください。

藤井由幸

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