京都大学受験生に思う 
土曜日, 3月 5, 2011, 06:19 PM
 京都大学など有名大学の入学試験で、携帯電話を使って外部から解答を聞きだした東北地方の受験生が警察に逮捕されるなど、大騒ぎになっています。

 いま、改めて受験のときの緊張感を思い返してみています。一発勝負で自分の人生が決まるかという思いで、大変なプレッシャーを感じていたことを、40年も前のことであるのに、昨日のことのように思い出すことができます。

 チャンスがあれば、何かにすがりたい、と思う一人一人の受験生の心理は良く分かる気がします。しかし、不正に走らず、正々堂々と自分の学力を発揮すべきなのは当然のことなので、不正が発覚すれば入学資格を失うのも、また、当然のことでしょう。

 ただ、大学やマスコミ報道が、この受験生のことを、まるで極悪非道の輩のように扱うのは、明らかに行き過ぎだと思います。警察に被害届を出して被害者を装っている京都大学に対して、抗議の電話が殺到しているということです。「非難されるべきは、カンニングを見抜けなかった大学側の監督責任だ」「その受験生は、不合格にするにしても、なにも警察沙汰にまですることはないのではないか」という意見が圧倒的だという。 

 それをきくと、当たり前の常識が通じる人が多いのだなと、妙にうれしい気分になります。奇想天外な方法でカンニングをしたからといって、その対策を怠ったスキを突かれた腹いせとばかりに、意趣返しでその子供の人生を否定するようなことまでして良いとは決して思えませんよ。親孝行をしようとした子が、逆に、とんでもない親不孝をすることになってしまって、どれほど苦しんでいることか、と思いをいたらせるのは私だけでしょうか。

 この子には、是非、来年もう一度京都大学を受験して、正々堂々と合格して、自分が理想とする弁護士への道を進んでほしいものだと思います。きっと、虐げられた人の気持ちのわかる立派な弁護士になれる可能性があると考えています。

藤井 由幸

前原外務大臣の政治献金 
金曜日, 3月 4, 2011, 07:17 PM
  前原外務大臣が、在日韓国人から数年間にわたって計20万円程の政治献金を受け取っていたということが、国会で野党から追及され、新聞にも大きく報道されています。前原大臣は、責任を取って大臣の職を辞するべきだということが、マスコミ報道の中から大きな声となってきているようです。

 前原大臣が、外国人からの献金を承知していたかどうか、ということが肝になりますが、本人も言うとおり、公民権が停止されかねない重大な違法性を承知で20万円ばかりの献金に手を出す馬鹿はさすがにいないのではないかと考えるのが自然でしょう。それならば、前原氏は、この献金の経緯をきちんと説明したうえで、野党の辞任要求をきっぱりとはねつけるべきであると考えます。その場合、問責決議などの要求をしてくることも考えますが、与党は、衆議院での信任決議でも可決させて対抗するなどの措置をとって、前原氏を守るべきであると思います。

 実際のところ、このような些細なことで政治家の政治生命を奪おうとするのは、野党の戦術としても低劣で幼稚であります。自分たちのレベルの低さをかくも恥ずかしげもなく開陳する破廉恥さには恐れ入ります。マスコミ報道に至っては、全く詮ないことと言わざるを得ません。なぜ、枝葉末節とおもわれることを殊更に論って、有為の政治家を貶めることを平気でやりたがるのでしょうか。それが新聞の発行部数やテレビの視聴率に影響するからということであったならば、戦前の新聞が満州の関東軍の横暴に喝采を贈る論調で世論を引っ張っておいて、満州事変、国際連盟脱退、三国同盟、日米開戦へと日本をひた走らせた歴史のデジャヴュであるかのようです。

 民主党の岡田幹事長は、「前原さんはやめる必要はない」と云っていますが、それだけでは不十分です。「前原大臣は、このような些細な事務ミスで色を辞する必要は毛頭ない。無実である可能性の高い小沢元代表が『刑事被告人』というだけで、マスコミが断罪論調を採るのが異常であるのと同様に、前原大臣に対する辞任要求などは政治目的の茶番である。ただ、前原さんは、小沢さん同様、政治資金の違法性について疑いを受けているわけだから、きちんと国会で説明責任を果たされるべきだろう」と、小沢さんをも守るような議論を展開すべきではないかと思います。

藤井 由幸


建国記念日に 
土曜日, 2月 12, 2011, 10:42 AM
 きのうの金曜日は、国民の祝日で「日本の建国を祝う日」ということになっているのですが、何のための祝日なのか忘れ、バレンタインデイの前祝いの日かと間違えるほど、目立った催しの少ない一日でした。

 一方エジプトでは、ついに、30年のムバラク長期政権が民衆のデモによって崩壊しました。日本でも、今のような政治の状況が続いていると、戦前の2.26事件のように、政治の停滞を見かねた軍部(今でいえば自衛隊)の一部がクーデターを起こして憲法を停止し、軍政に移行するというような極端な動きに出るということが起こりうるのではないか、と心配になってきます。民主主義は、「与えていただくもの」ではなく、「自らの力で勝ち取り、守っていかなければならないもの」だということを、エジプトの政変が教えてくれています。

藤井 由幸


還暦の豆まき 
月曜日, 2月 7, 2011, 06:09 AM
 きのうの穏やかな日曜日、四日市市大宮町の志氐神社に地元羽津小学校出身の同級生42人が集まり、裃の装束を着けて還暦の厄除け祈祷の後、境内の舞台の上にあがって、一斉に豆まきをやりました。

 その後の宴会では、何十年振りかで合う友とお互いの老いの差を確かめ合いながら、楽しく語らいました。1万2千円という高額の会費にもかかわらず、総勢105人ほどの卒業生の内の4割もの人が、東京組4人を含めて遠方からも集まるのは奇跡的だと思ったのですが、みなさんそれぞれに、「還暦」という人生の節目を同世代の旧友と一緒に迎えたいという気分であるのかなと思った次第です。

 次々と近況報告に立った旧友たちからは、親の介護、自分や家族の健康、結婚しない子供たちの心配など身近な話題が口をついて出てきました。将来の大きな夢などと云うことを語る人はいませんでしたが、ささやかな今の幸せを大切にしてゆこうという雰囲気がみなぎっていて、昔と違っていまや「初老」でしかない還暦人の元気さを見た思いがしました。この人たちが元気さを失わない限り、日本の未来は明るいよ!

藤井 由幸


冬来りなば・・・ 
金曜日, 2月 4, 2011, 06:48 AM
 きょうは立春。暦の上ではもう春です。外も少しずつですが温かさを増してきたような気がします。

 今朝発売された「ロンドン・エコノミスト」誌の巻頭記事の中で、菅首相の開国、税制改革という看板政策が「過去数十年間で最も大胆な政策提言である」と最大級の賛辞を得ていました。この提案をつぶすか、実行に移すことができるかは、これからの政治的な実行力、世論の盛り上がりにかかっているといえます。「菅総理が失敗したら、日本はまた暗闇の中に沈んでいく」とまで書かれていますが、私はこのあたりで本当に日本の政治の流れが変わってくれるのではないかと、密かに期待しています。ただし、国会議員の皆さんが、「次に当選すること」「党勢を拡大すること」といった保身に走らずに、本当に国家・国民のことを考えてくれるようになることが、大前提です。

 それにつけても、小沢一郎さんの問題にしてもそうなのですが、日本では、政治家の「大志」に対する感謝、希望、という意識があまりにも軽すぎるような気がしています。(ただ、それだからと云って、小沢さんが国会での説明責任を果たさなくてよいということにはならないけど)それもこれも、政治家自身が我が身のことを省みずに天下・国家のために奉仕するという姿勢が乏しいことあるのでしょう。もうひとつは、やはりマスコミの責任です。政治を面白おかしく論じるのは結構だけれども、視聴率かせぎのために、部数稼ぎのために、心意気のある政治家をこき下ろすことはもうやめてもらいたい。日本のマスコミ人の真のジャーナリズム意識の欠如が日本の発展の大きな阻害要因になっていると感じるのは、私だけでしょうか?

藤井 由幸




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