水曜日, 1月 28, 2009, 06:45 AM
三年前から家内と二人で積立預金をして、結婚３０周年の記念に海外旅行に行こうと計画していたものの、景気の悪化の波には抗し切れず、このお正月は沖縄旅行でお茶を濁すことになった。 でも、実際に行ってみるとはじめての地はとても新鮮で、レンタカーを借りて、本島内をくまなく見て回ることができた。戦争の傷跡を今に残すいろいろな施設や大きくいばってのさばっている米軍基地と、海岸や透き通った海の水の美しさとのアンバランスがこの島の成り立ちを象徴しているかのようだった。真っ先に訪ねた「ひめゆりの塔」には資料館が併設されており、そこで、語り部のボランティアをしておられる８０代の老婦人の話を聞くことが出来た。落ち着いて静かに話されるその口をついて出てくる言葉は、とても文字にすることは出来ない悲惨なものだった。数多くの人が自分の周りで死んでゆくのを目の当たりにし、人間としての尊厳を打ち砕かれた彼女は、戦後も長らくの間自分の体験を人に話すことが出来なかったという。もっともなことだ。
沖縄にあって平和の大切さを実感するとき、逆に、今のように日米安保体制のもとで、いつまでもアメリカというよその国に自国の防衛をお世話になる形でいいのかなと感ずる。日本は、近隣諸国に脅威を与えることなく、また、武力で他国との紛争解決を図ることを放棄しつつ、自国の防衛責任を自ら果たすことを模索すべき時期にきているのではないかと、テレビに大写しされるブッシュ大統領の顔を見て思った。次にこの人のような暗愚な人がアメリカの大統領になったときには、アメリカという外国に頼るばかりの日本は本当に危ない。今のように、日本の指導者もアメリカよりもっと悪いということだってあり得るのだから。・・・これは、大いなる皮肉のつもり！
ところで、最近２０代の若者や、年金世代の老夫婦が大挙して沖縄に移住してくるという話を地元の人に聞いた。若者はアルバイトをしながらダイビングを楽しみ、老人は温暖な気候の下で余生を楽しむということらしい。言葉の通じない東南アジアで暮らすよりは、事前の一番美しい冬知らずの沖縄のほうが過ごしやすいということか。それもまた考えてもいいかなと、家内に目配せすると、強く首を横に振られた。
藤井由幸
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月曜日, 1月 26, 2009, 06:56 AM
先週木曜日の朝、新機械の設営のために呼んだ、ドイツ人とインド人のエンジニアをホテルに迎えに行って、車で四日市市内の工場に向かった。その時，近鉄線を渡る陸橋から鈴鹿の方を見ると、おお、なんと鈴鹿山系の山々が実にくっきりと間近に見えるではないか。外国からの客人も感嘆の声をあげる。３０キロも離れているのに、まるで、一本一本の木々や木の葉の一枚一枚の上に積もる雪まで手に取るように見えるようだ。だから、この時期の早朝のピリリと引き締まった冷たい空気がたまらなく好きだ。この鈴鹿の山々の美しさを見ていると、自然の大きく豊かな営みと、ゆったりとした時間の流れを感じる。この山々が作られたのは、いったいどれくらい前のことなのだろう。日本列島がユーラシア大陸から離れて今の形になるまで何十万年かの年月を要したのだときいたことがある。人類が生まれた百万年ほど前にこの山々もできたのだろうかと想像すると、なにかわくわくとしてくる。それに、私たち人類はこの豊かな自然の恵みの中に奇跡的に進化してきた生き物なのだということを感じてしまう。
そういえば、人類が進化してきた百万年という年月のうち、戦後の数十年を除くほとんどすべての期間にわたって、人類は飢餓と闘ってきたのではないか。地球上の一部では今でも飢餓と闘わねばならない人もいるが、文明人にとっては今は飽食の時代。私たちの祖先が百万年かかって作り上げてきた「飢餓と闘う」仕組みをもった体が、飽食の時代にうめき声をあげているのではないかと思える。そして、数十万年かかって作り上げられたこの美しい自然を、私たちは守り育んで後世に残す義務があるのではないかと感じる。人類は傲慢になってはいけない。自然を畏れ、謙虚に、謙虚に。
藤井由幸
金曜日, 1月 16, 2009, 07:56 AM
MESSIEURS BOJ, HOW LONG DO YOU WISH TO KEEP MESSING THE JAPANESE ECONOMY?On December 18th, the Bank of Japan announced to cut interest rates by 0.2% to 0.1%, after a reduction of 0.2% on October 31st.
Some economists welcome BoJ's co-ordinating move with other central banks around the world, desperately and collectively trying to sustain the global financial system. They say there is only a little room for BoJ to maneuver rate-cuts with already "very low interest rates in history". ---Oh, is it really true?
I think there are two key issues missed in the argument. One is the fact that interest rates are not low, but they are paradoxically at historically high level in real term. Seasonally adjusted CPI, inclusive of energy prices show more than 2% annual increase, but more general figure, GDP deflater is still minus 1-1.5%. If you include the effect of the drop of asset prices, especialy stocks and property prices, which is reflected in the recent current-value accounting system, annual deflation rather than inflation is proberbly around about minus 5%. If so, current long-term interest rate of around 1.5% is around about 6.5% in real term, at which level many of small and medium-sized firms are punished for courageously investing in risky businesses, except for very rich export-led companies such as Toyota or Canon. The reason why the Japanese econmy stagnates for so long is that the interest rate has been too high, not too low as messieurs BoJ reckon.
BoJ is to blame for the mismanagement of the economy for the last two decades. Even now they do not realise the real issue, and they are trying to mislead the economy even longer. 0.2 % reduction of interest rates is nonsense, giving a fallible message to the financial market that BoJ is reluctant to fight against the global financial crisis, by leaving a room to lower the interest rates further soon. BoJ's interest rate cut was a typical example of "successive and partial deployment of resources" --- a rule of sure loss strategy in a war.
Then what could and should BoJ be doing? That leads to the second key point. Perhaps the easiest and most effective stimulus for the aching Japanese economy is to lower BoJ's interest rate to NEGATIVE figure; giving interests to their borrowing banks rather than depositing ones, in ordr to match the interest rates with the price change in real term. This type of seemingly drastic and unprecedented measure would encourage ordinary people to consume more and small businesses to invest more, relying on the commitment and the determination of the policy makers to fight against depressionary move. Only when the econmy has started to move forward and inflation rate, measured correctly, reaches 2-3%, BoJ can happily raise interests to what they call "normal" level. Until then why should we limit the lowest interest rate to zero, it can be lower than zero and it should be now. Technically difficult it may be, but not impossible.
Yoshiyuki FUJII
日曜日, 1月 11, 2009, 10:57 AM - 2007年05月
明けましておめでとうございます。新年に、久しぶりに息子たちと食卓を囲んでいて、それぞれに立派な考え方を持つようになってきたことを実感しました。親は無くとも子は育つ、とはよく言ったもので、誠に頼もしい限りです。その息子たちにに触発されて、私もまた、このブログを再開して、折々の自分の思いを書き綴ることにしました。どうぞ、お気軽にお読みください。
昨年秋から我が社も、ご多分に漏れず経営基盤を揺さぶるような市場の激変に見舞われており、正規・非正規を問わず社員の雇用を守るために、懸命の努力をしているところであります。
そのような折に、新聞報道などを読みますと、「百年に一度の危機」とは口先ばかりで、政府のあまりにもお粗末な時代認識と、そこから発せられるメッセージのレベルの低さには、あきれるばかりです。サブプライム・ローン問題を端緒とした米国発の金融危機が世界全体の実体経済の急激な萎縮を招いているという現状は、まさに、８０年前の「大恐慌」前夜そのものであり、手を拱いていれば、それがやがては現実のものになるという危機の淵にわれわれはいる、というのが中小企業経営者としての私の時代認識です。
このような時にこそ、政治家や高級官僚など、「世の指導者」たるべき人は、己の利益の確保ではなく、天下国家のために一肌も二肌も脱いでいただかなければなりません。昨今、政治家や官僚諸兄から発せられる言葉は、自己保身が透けて見えていて、とても時代認識を踏まえた発言とは思えないのが、最早残念では済まされなくなってきています。このような時代への対応の遅れが、どうにもならない困窮を生み、やがては戦争にまで繋がっていく大きな要因となったという歴史の教訓を忘れてはならないと考えるのであります。
経済学でいうところの真理のひとつに「合成の誤謬（ごびゅう）」（個々の企業や個人などにとっては合理的な経済行動が、必ずしも経済全体にとっては望ましい結果をもたらさないこと）ということがあります。トヨタ・ソニー・キャノンなどの日本を代表する企業が、自己防衛のために正規・非正規労働者を解雇するということが、大きな話題になっています。無論、個別企業のモラールの問題ということもありましょうが、これこそ「合成の誤謬」の典型的な例で、個別企業にとっては最善と思われる「人員の削減」という経済行動も、もし経済全体に広がってしまえば、日本の景気は益々悪化して、やがては、もっと雇用を削減せざるを得なくなってしまうことになります。「年度末までに、非正規雇用労働者のうち８万５千人が失業する」などということが、厚生労働省から発表されていますが、どうしてこのような数字がまことしやかに報道されるのか、理解に苦しみます。失業者の数は、１７百万人いるといわれる非正規雇用労働者の、常識的に考えて０．５％の８万５千人で済むはずはなく、最低でも２％の３０万人、最悪のケースでは、２０％の３百万人になっても不思議ではありません。
こうした認識の上に立てば、「雇用の確保」は、個別企業のモラールの問題に矮小化してはならないのです。経団連は、「傘下の企業に『雇用維持の努力』を促します」というのが精一杯です。したがって、例えば、可能かどうかわかりませんが、「期間労働者を含め、労働者の解雇予告は最低１年を必要とする」こととし、かつ中小企業者には休業日を増やす場合は雇用保険から補填を与えるなどの極めてドラスチックな雇用政策等によって、合成の誤謬が生ずるような「市場の失敗」を打ち消す必要がありましょう。また、機動的な財政出動をためらうべきではありません。所謂「霞ヶ関埋蔵金」の活用も良策でしょうし、一時的に一定期間消費税を棚上げにし、財政赤字を国債で穴埋めすることも、あえて踏み込む議論の余地があると考えます。無駄な公共事業をやることはありませんが、将来どうしても必要と思われる事業、たとえば学校の耐震工事や、医療・年金・介護・教育事業への支援など、今やれることはいくらでもあるはずです。要は、将来に期待が持てるような政策に財政資金をつぎ込み、経済の自立反転を促すという基本原理を実践することに尽きるのではないでしょうか。
一方で、金融面での政策的支援も欠かせません。米国では、デフレとの戦いの先鞭として、ＦＲＢがゼロ金利政策を採用することを発表し、市場に安堵感が広がっていると報道されています。バーナンキＦＲＢ議長は、「大恐慌」の専門家でもありますから、その辺りの認識は誠に当を得たものがあります。これに対して、日銀の危機感覚は如何にも鈍い。現状すでにデフレ状態にあるということすら認識していないのではないかと思われてなりません。日本国民の金融資産が、昨年対比５％程度目減りしているということが最近報道されましたが、このような、資産デフレを勘案すれば、日本経済はバブル崩壊以降の過去十数年間ずっとデフレ状態にあるといわざるをえません。このような状態を放置し続けた日銀の責任は極めて重いと、後世の歴史家は必ずや断ずることでしょう。このような現況下でこそ、日銀にしかなしえない重要な政策があります。ひとつは、量的金融緩和の拡大です。まだとても十分とはいえない中小企業への信用保証枠は、１００兆円規模に拡大する必要がありましょう。日銀は、こうした施策によって生じる金融機関の資金需要を量的拡大によって下支えしなければなりません。また、日銀による国債の直接購入も財政赤字の拡大とタイアップしたメニューとしてあってしかるべきです。
もうひとつは、政策金利の一段の引き下げです。私は、ネガティブ・インタレスト（マイナス金利）もためらうべきではないと考えています。政策金利の下限はゼロであって、それ以上の政策は打ちようが無いという固定観念を捨てるべきです。つまり、公定歩合をマイナスにして、日銀から借り入れをする銀行には日銀の方が利息を払うということです。こうすれば、市場金利の一段の下げにつながる他、市場の金融政策への期待感は高まり投資が促進されることは疑う余地がありません。過度な円高への対策にも画期的に有効です。「デフレ」という現況認識の下では、「ゼロ金利」は安すぎるのではなく、むしろ実質的には高すぎて経済の成長を阻害しているということを明確に認識すべきです。なぜ、このような単純な論理が理解されないのか、私には不思議でしようがありません。先月中旬に開かれた日銀の金融政策決定会合で、政策金利の低下をためらったり、小出しにするのではないかと心配していましたが、やはり、０.１％への引き下げという中途半端な政策しか打ち出せず、市場を失望させることになってしまいました。
以上縷々申し述べましたが、現下の経済情勢が「百年に一度」の未曾有の危機という認識の上に立って、まず、われわれ一般国民の一人ひとりが個人の利益ばかりに走ることなく、世の中全体のことを考えて行動することが必要です。同時に、政治家や政府高官などのリーダーは、今こそ、明日の日本を作るために文字通り「滅私奉公」を貫き通してほしいものだと心から念じています。
藤井由幸
月曜日, 5月 28, 2007, 06:07 AM - 2007年05月
おとといの土曜日は、早朝４時半に車を出して、奈良の五條市にあるゴルフ・コースをめざしました。その途中の伊賀盆地では、雨上がりのためかすごい霧で、視界が悪くスピードを落とさないと走れないくらいでした。そこで、もう日は上がっていたのですが、フォグランプとヘッドランプをつけて走りました。前を走っている車の多くが無灯火であるのを見て、私はフォグランプにまつわる昔のことを思い出していました。昔、イギリスにいたころ、中古のＢＭＷ３２０に乗っていたのですが、ダッシュボードにはフォグランプのスイッチがあるのだけど、車の前の部分にはそれらしいランプがなくて、「一体これは何なんだ」と不思議に思っていました。ところがあるときヨーロッパ大陸の「アウトバーン」という高速道路をそのＢＭＷで旅行していると、突然すごい霧になってきたんです。そうすると、前を走っている車がみなブレーキをかけたようにテールランプを赤々と光らせているではありませんか。「そうか、フォグランプは前ではなくて、後ろにあったんだ」とそのときはじめて気づきました。確かに、どの車もヘッドライトを点け、テールランプを光らせる、というタイプのフォグランプを点けているではありませんか。なるほど、この方が前の車の位置がはっきり見えて合理的だと思ったものでした。
「フォグランプは前にある」という「日本の常識」は、「フォグランプは後ろにある」という世界では非常識ということになるのかもしれません。そういえば、交通システムに関しては、「日本の常識」が「世界の非常識」というケースが結構あります。世界にあてはまらない日本の常識をいくつか挙げてみましょう。あなたなら、どちらを支持しますか？
＜日本の常識＞
�．悒奪疋薀ぅ箸蓮�薄暗くなって前が見づらくなったら点灯する。
�⊃佑榔Α⊆屬郎検�
�８鮑硬世膿�号が赤のときは必ず停止する。
�げ，轡椒織鷦阿諒盥埃塒儔Ｃ膿�号を押すと、信号が変わるまでしばらく待つ。
�ザ垢て始�は、お互いに譲り合って対向する。
��子供を視界の良い助手席に乗せてやるのはほほえましい。
＜世界の常識＞
�．悒奪疋薀ぅ箸蓮⊆�分が前を見るためというよりは、人に自分を見てもらうために点ける。したがって、雨の日など視界が悪いときには、「必ず」ヘッドを点けることが法律で義務付けられているところが多い。
�⊆屬�道の左側を走るのは、日本と旧イギリス連邦諸国（インド、オーストラリアなど）だけで、世界中のほとんどの国では、車は右側通行。（日本は明治時代にイギリスから交通システムを輸入した）
��信号が赤でも、左折（右側通行のアメリカなどでは右折）は、安全を確認した上で原則はいつでもＯＫ。
�げ，轡椒織鵑魏，靴燭蕁◆嵜�号はすぐに変わる」のが原則。世界の人は日本人ほど我慢強くない。
�ザ垢て始�は、原則として一方通行にしてある。日本的な「譲り合いの精神」は通じないから、けんかになる。
��子供は、安全のために後部座席にシートベルトをつけて乗せる。子供を助手席に乗せて、ながめが良いようにシートベルトをはずさせたりしていると、「幼児虐待」ということで、刑事罰を受け、ケガをさせたわけでもないのに刑務所に入れられることがある。（故意に子供を危険な目にあわせている、という罪・・・ただし、これは欧米の先進国だけかもしれない）
交通システムに限っていえば、この程度のことでかわいいものですが、行政や政治の「常識」「非常識」となると、ちょっと重たいことになってきます。
�‘�本では憲法は公布以来の過去６０年間で一度も改定されていない。・・・改定の内容や良し悪しは別にして、そんな国が世界にいくつあるのだろうか。改定へのハードルの高さがネックといわれていますが、まあ、今の「良識ある」国会議員のセンセイ方に憲法をメチャメチャにされるよりは、今のままの方がましというところでしょうか。
�⊆卻歡�の「年金５千万件不明事件」でも、誰も罰されることはない。・・・グリーンピアという施設に２千億円もの年金資金をつぎ込みながら、結局は５０億円程度で売却せざるをえなかった。これも、それにからんだどの政治家も、官僚も誰一人として罰されることはなかった。世界の常識から言えば、何人もの関係者が「鉄格子」の中に入ってもおかしくない事件といえるのではなかったのでしょうか。それがないから、次々と無責任な行政が放置される。
��「日本の農業を守る」ために過去数十兆円の予算を使いながら、日本の食糧自給率は４０％と世界でも有数の低さ。
�ぁ屮淵鵐肇�還元水」に数千万円使ったという説明をしていても大臣がつとまるし課税もされない。・・・中小企業が税務署にそういう説明をしても通るんだろうかなあ。少なくともアメリカだったら、政治生命は絶たれるのでしょうね。そんな人がアメリカと牛肉の輸入制限の交渉をやって、まともに話を聞いてもらえるのかいな。
こうなると、もういけません。政治批判になるとがぜんテンションが上がってきて止まらなくなってきますので、この辺でやめておきましょう。
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