月曜日, 5月 29, 2006, 06:49 AM - 2006年05月
先週の水曜日に、「きたしん経済クラブ」の総会があり、中京大学の奥野信宏さんが「東海圏の将来」という演題で講演をされました。そのなかで、いくつか感じたところをまとめてみました。「もはや、『ものづくり』の時代ではない」と言われてから久しいわけですが、名古屋を中心とする半径１００ｋｍの「名古屋圏」とか「東海圏」という地域では、ものづくりをどんどん進化させるというやり方で、反映を続けてきた。昭和２０年代の岐阜・一宮を中心とした軽工業から、鉄鋼・石油化学などの重化学工業へ。そして現在では、自動車・電機・電子・工作機械・航空宇宙などの組み立て産業に進化してきている。今後も、第二次産業が自らの企業努力によって、付加価値を高めてゆく、という「ものづくりの高度化」が広がりを見せるのではないか。この地域にものづくりの産業が集積しているのは、偶然の所産ではない。古くからの歴史と文化の成果だ。確かに、この地域は昔から木工・からくり人形のレベルが高いし、陶器の生産も盛んだった。
これからの街づくりには、人、特に一級の人材が集まる魅力が必要。その核になるのは大学だ。（四日市大学にそんな魅力があるのかなあ？）また、「観光」という視点で街をとらえることも重要だ。ふだん、何気なく見ている古い工場跡や機械なども「産業観光」の資源として有効な場合があり、地元の人が自信を持って宣伝しなきゃだめだ。ほかに、これからの都市の要件としては、以下の４点だと思うといっておられた。はたして四日市にどれだけあてはまるかな？
�“�しい街・・・何を美しいと感じるかは人によって違いがある。きらめくネオンか、風流な石畳か、城や古い街並みなどの歴史遺産か。
��機能的な街・・・ショッピングや食事・娯楽などが便利にできる。教育や病院のレベルが高い。
��住みよい街・・・高齢者でも社会に参加して貢献できる。公共交通が整備されていて、街に出やすい。
�す餾櫺修里任�る街・・・専門職の外国人が生活しやすい環境(外国人の子供の学校・病院がある、国際会計士/弁護士/通訳がいる)
この講演のことを考えていたら、日曜の夜の「ＮＨＫアーカイブス」で、静岡県の柿田川のことを放送していた。柿田川というのは、富士山の伏流水が湧き出た水でできた美しい川で、日本三大名水のひとつとされている川だ。 四日市も、鈴鹿山系の伏流水の豊かな土地柄で、水はおいしい。こどものころ、夏休みになると母の実家のある菰野町吉沢に遊びに行ったものだが、近くの小川には夏でも冷たい透き通った湧き水が流れていて、お風呂の水としても川から汲んで使っていた。そういうきれいな水といったような自然は、四日市の街の魅力のひとつとしてきちんと残していかなきゃいけないんじゃないかな、などと思う次第です。
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火曜日, 5月 23, 2006, 06:45 AM - 2006年05月
きのうの午後、「岡田克也政経セミナー」ということで、毎日新聞特別顧問の岩見隆夫さんの講演を聞きに云ってきました。テレビにもよく出てくる政治評論家としての岩見さんが、「政治はこれでいいのか」ということで、どれだけ小泉政治の現状に切り込んでいくのか楽しみにしていたのですが、通り一遍の政局論に終始したのにはすこしがっかりしました。続いて演壇に立った岡田克也さんのお話も、政治スクールで直接話をうかがっているせいか、余り新鮮味はありませんでした。せっかく多くの人が聞きに来ているのだから、もう少し気迫のこもった話をされればよかったのに、と思いましたが、ちょっと厳しい見方でしょうか。
しかし、その後で、予定にはなかった岡田卓也さんが、お礼の挨拶ということでスピーチをされたのが一番鋭いお話であったように思います。さすがにイオングループの創始者の卓也さんは云うことが違うなあ、と感心したお話のポイントは以下の通り。
�。昂遒亮�民党総裁選挙では、第一回投票では一位安倍晋三、二位福田康夫ながら、どちらも過半数をとれず。決選投票では国会議員の支持を集めて福田が安倍を破り、自民党総裁になる。
�△靴燭�って、その後の政局は福田赳夫元総理の息子の福田康夫氏率いる自民党と、田中角栄元総理の直系である小沢一郎さん率いる民主党による、「角福戦争」の再現になる。
��小泉さんの政治によって、中央と地方の格差が大いに広がってしまったというのは、秋田県の海岸の松林を見るとよくわかる。防風林・防砂林として何百年もかけて生育していた立派な松林が、みな立ち枯れてしまっている。強者がどんどん強くなれる社会もいいが、そのために大切な文化や伝統を失ってしまっては何にもならないのではないか。
月曜日, 5月 22, 2006, 06:39 AM - 2006年05月
先週金曜日の夜、ライオンズクラブの新旧理事会の懇親会が開かれました。その中で次期会長さんから、本当にあった話で非常に感動した、クラブの基本精神にも関わることなので、出席者に是非読んでほしいということで、次のような話がありました。みなさんにも味わってほしいと思うので紹介します。『この出来事は南アフリカのヨハネスブルクから、イギリスのロンドンに向かうブリティッシュ・エアウェイの機上で起こりました。見掛けのところ５０歳ほどの白人の女性が黒人の隣にすわることになりました。信じられないことだとばかりに、彼女はスチュアデスを呼び出して、
「見れば分かるでしょう？ 私を黒人の横の席にしているのよ。忌まわしい人たちの横にすわるなんて、私は承知できません。ほかの席に変えてちょうだい。」
スチュアデスは、
「お静かに願います。ただいま、席があるかどうか確かめてまいります。」
と応じた。
そして、しばらくして戻ってきてから彼女に返事した。
「お客様、あいにくエコノミークラスに空席がございません。
キャプテン（機長）にも相談しましたが、ビジネスクラスにも空きはないとのことでした。
お差支えなければ、ですが、ファーストクラスに一席だけ空きがございます。」
その女性客が返事をする一瞬のスキも与えず、スチュアデスは話を続けた。
「私どもの会社は、このような理由でエコノミークラスのお客様にファーストクラスへお移り願うことはめったにいたしません。けれども、状況を考えますと、こんなひどい方の隣にお客様のどなたかがおすわりになるということは言語道断である、とキャプテンが申しております。」
そして、スチュアデスは黒人の紳士に向かって言った。
「お客様。というわけですので、どうぞ手荷物をおまとめください。ファーストクラスにお席を用意してお待ちしております。」
ずっと、周りにいた乗客はこのやりとりを目にして心を痛めていた。そして、この瞬間に立ち上がってみなが拍手喝采した。』
日本航空（ＪＡＬ）だって、こういう風にお客様を本当に大切にして、機転をきかせることができたら、あんなに事故や内紛で世間を騒がせることはないのに、と思います。仕事を進める上で、私たちにはしっかりと守りぬかなければならない価値があるのだということを、再認識したいものです。
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金曜日, 5月 12, 2006, 07:33 AM - 2006年05月
北伊勢上野信用金庫の「きたしん経済クラブ」の幹事の一人になってくれないかという話があり、きのう、その理事会が開かれて、今年の活動計画などについて理事長から説明を受けました。その後、幹事の間で食事を挟んで雑談となりましたが、その中に、GさんとIさんという、私の父とほぼ同世代のお二人が、シベリア抑留の体験をお持ちだということが分かって、大変貴重なお話を伺うことができました。
「シベリア抑留」というのは、１９４５年８月に第二次世界大戦が終戦を迎えたとき、満州（中国の東北地方）に取り残されてソ連の捕虜となった６０万人ともいわれる旧日本兵が、ソ連によってジュネーブ捕虜協定に違反してシベリアに強制的に拉致され、数年間にわたって極寒の地で資源開発などの強制労働を強いられた、という事実です。最近、岩手県出身の上野（うわの）さんという旧日本兵が、ウクライナから６３年ぶりに帰省を果たしたということが話題になりました。上野さんも、シベリア抑留の経験者ですが、その後、いろいろな事情から旧ソ連に留まったのだということでした。
きたしん経済クラブのGさん、Iさんは、それぞれ４年間、３年間の長きにわたってシベリアでの生活を余儀なくされたわけですが、冬にはマイナス３０度以下となるひどい寒さの中で、いつ終わるとも分からない、いつ死ぬかもわからない囚人のような生活を送らねばならない、というのは想像を絶するものがあります。昔、五味川純平さんの書いた「人間の条件」というシベリア抑留を舞台とした小説を読み、また、仲代達也さん主演の同名の映画を見て非常に感動した記憶がありますが、自分の周りにそのような体験をもった方がいらっしゃったとは、驚くばかりです。
現在の日本の平和と繁栄があるのは、「シベリア抑留」を初めとする、さまざまな戦争の犠牲者の上にあるのだということを、決して忘れてはならない。また、こういう事実は若い人たちにもきちんと伝えていかなければならない、と強く感じました。
水曜日, 5月 10, 2006, 05:26 AM - 2006年05月
サッカーのワールドカップの前哨戦として、きのうの対ブルガリア戦を注目していたのですが、結果は惨憺たるものでした。開始１分もしないうちに点を入れられ、そのあとは攻めても攻めても決定力がなく、点が入らないという、日本代表の悪いところばかりが目立った試合でした。この試合は、１５日に迫ったワールドカップ出場メンバーの最終選考会ということでも注目を集めました。選手の動きや表情などを見ていると、「どうやってメンバーに選んでもらえるようにアピールしようか」と自分のことばかりを考えていて、「ワールドカップで勝ち進むためには、チームとしてどういうポイントをチェックしたらいいのか」という試合の本来の目的を忘れてしまっているようでした。これでは、気が抜けたような試合になるのは当たり前です。
チームか個人かという「対立」の問題ではなくて、個人個人の技術レベルを上げることによってチームとして、よりまとまった総合力を発揮する、という「共生」がポイントになるのだろうと思います。
そしてこれは、わが社についても当てはまることだろうと思います。会社全体のレベルを上げるためには、みなさん一人一人がそれぞれ「技術レベルを上げる」という目標意識を持って毎日の仕事に取り組む、ということが大切なんじゃないでしょうか。
むつかしいことではないのです。「確認をする」「気が付いたことをすぐ報告する」という当たり前のことを当たり前にできる、ということが「自分の成長」にも「会社の実力」にもつながるのだということを意識してください。ワールドカップのメンバーにもこういう意識があれば、ドイツでの活躍が期待できるんだけどなあ！！
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